食料自給率のトリック その2
こんにちは~。
ではこの続きを
・なぜ日本の自給率は数字で見ると低いのか?
・実際はどうなのか?
この問題のキーになるのが、試算の基準になっている
「カロリーベース」です。
■カロリーベースとは?
カロリーで自給率を計算するというものなのですが、
この試算方法を採用しているのは、世界でも日本と韓国くらいなのです。
カロリーベース以外の試算方法は、重量ベース、金額ベースなどがあります。
以下、農林水産省HPより
食料自給率とは?
国内の食料消費が、国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標のことです。
食料自給率には3種類の計算方法があります。
(ア)おもさで計算
国内生産量、輸入量など、その食料の重さそのものを用いて計算した自給率の値を
「重量ベース自給率」といいます。
(イ)カロリーで計算
食料の重さは、米、野菜、魚、、、どれをとっても重さが異なります。
重さが異なる全ての食料を足し合わせ計算するために、その食料に含まれる
カロリーを用いて計算した自給率の値を「カロリーベース総合食料自給率」と
いいます。
カロリーベース自給率の場合、畜産物には、それぞれの飼料自給率がかけられて
計算されます。
日本のカロリーベース総合食料自給率は最新値(平成21年度概算値)で40%です。
(ウ)生産額で計算
カロリーの代わりに、価格を用いて計算した自給率の値を
「生産額ベース総合食料自給率」といいます。
比較的低カロリーであるものの、健康を維持、増進する上で重要な役割を果たす野菜や
くだものなどの生産等がより的確に反映されるという特徴があります。
日本の生産額ベース総合食料自給率は最新値(平成21年度概算値)で70%です。
(例) 数値は、平成21年度概算値
〈品目別自給率〉
小麦の品目別自給率=
小麦の国内生産量(67.4万トン)/小麦の国内消費仕向量(625.8万トン)=11%
(総合食料自給率)
カロリーベース総合食料自給率=
1人1日当たり国産供給熱量(964kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,436kcal)=40%
生産額ベース総合食料自給率=
食料の国内生産額(9.8兆円)/食料の国内消費仕向額(14.1兆円)=70%
このカロリーベースがなぜ問題になるのか?
日本はカロリーの低いものの自給率が高いから
カロリーの高い畜産は飼料の産地でカウントされるから
日本はカロリーの低いものの自給率が高いから
日本はコメや野菜は自給率が高いのですが、野菜などはカロリーが低く
自給率向上に貢献できません。
逆に、肉や油などカロリーの高いものの影響が大きくなってしまいます。
>>農林水産省HP
カロリーの高い畜産は飼料の産地でカウントされるから
例えば、生まれてから出荷されるまで日本で育てられた豚の肉でも、
エサが全て外国産の穀物だと、国内の自給率にはカウントされないのです!!
日本の畜産はほとんど外国の穀物を餌にしているので、
カロリーの高い肉類などは、ほとんどが国産としてカウントされないのです。
下記リンクの資料の中に、肉類の数値もありますが、
カッコ書きされている数字が穀物の産地で考えた場合の数値です。
カッコ書きされていないのが、日本で育てられた肉類の数値です。
資料はこちら
>>農林水産省HP
需給表の推移をみると戦後、
・米の消費量が落ちている
・肉類の消費が増えている
・油の消費量が極端増えている
資料はこちら