プロフェッショナル仕事の流儀 カルビー会長 松本晃氏
プロフェッショナル仕事の流儀にて
先日、普段は特に見てないのになぜか気になり
HDDに録画して番組を見た。
誰の回かもわからず、見ていくと
今回はカルビーの会長松本氏のドキュメンタリーだった。
同氏が会長に就任後、借金も返済し次の一手を!
というカルビーの企業戦略も追っていた。
番組内でとある過去の経験を話しているシーンがあった。
松本氏は以前医療機器メーカーの社長を務めておられたらしい。
とある日、経営している会社が扱う機器を使った手術で
医師のミスにより患者がなくなるという事件に遭遇。
結果的に、医師はミスを認めており機器自体に問題は無かった。
しかし、松本氏は該当機器を全て(リコール)回収した。
松本氏曰く、「消費者、患者に健康リスクが少しでもあるものは提供しない。」
とのことだった。
この機器にそういうリスクがあるかどうかまでは言及してなかったが・・・
皮肉にも、スナック菓子で多大の売上を上げている会長がこういうセリフを使うとは・・・💦
スナック菓子に健康リスクがあるとは思ってないのか?
嗜好品だからいいと思っているのか?
なんとも不思議な気分に包まれた(笑)
なんかメディア向けの薄っぺらい言葉に聞こえてしょうがない。
さらに、カルビーの今後の成長戦略として、北米の売上拡大が命題であった。
その中で、オーガニック市場へ踏み込むということを松本氏が決断するシーンがあった。
アメリカでは健康意識が高く、ポテトチップス自体はあまり成長が見込めないため
エンドウ豆のスナックでオーガニックの製品を作るという戦略。
海外のスーパーに行けばわかるが、スナック菓子のコーナーでは
ポテトチップスが日本ほど多く無い。
今の海外ではグルテンフリーやGMOフリー、MSGフリーなどは当たり前。
グレインチップスなどの穀物をベースにしたものなどが
かなりの数の商品を出している。
さらに、松本氏は
オーガニックの商品は売価を高く設定できるので粗利も大きくなる。
勝機があると語っていた。
しかし、それには大きな壁があった。
それは、供給側が圧倒的に追いつかないということ。
その課題を前に沈黙する松本氏。。。
オーガニックに少しでも携わっている人間なら、
よく耳にするこの状況。
大手が参入しづらい一つの要因である。
大量生産、大量消費に慣れており、
簡単に生産量をコントロールできると思っている大企業。
有機や自然農法などで生産効率が上がるまではかなりの壁があるということ。
さらに、生産、流通で手間がかかるオーガニックの加工品は
一般の食品よりも原価が高くなるという常識。
カルビーほど大手の会長でも、
こんなことも知らないのか、調べてないのかと
ちょっと驚いた。。。。
イオンは自社ブランドの20%をオーガニックの食品にすると宣言しており、
海外でのオーガニック農産品の生産にも力を入れている。
これからの大手は売りたければ、生産側のサポートからしなければ供給は追いつかない。
特に日本では、広大な土地で単一の農作物を作れるエリアは限られている。
少量多品種で生産している農家がほとんど。
単一でまとまった数量の農作物を作れる農家さんは、大手の食品会社や外食産業の契約農家になっているところも多い。
ただアメリカでオーガニック市場が伸びているから、
健康意識が高い消費者が増えてきているからと参入してきた大企業はほぼ失敗するだろう。
本質的に消費者が求める
こだわりのポイントがわかってない。
業界の状況、日本とアメリカの市場の違い、
消費者の違いなどまで踏まえて参入しないと。
たとえ失敗しようとも、大手が手をつけることで
認知度が上がることは間違いない。
健康や美容に関する情報発信者が、
これからも発信し、啓蒙していくことで消費者も賢くなっていく。
ただ、そういった情報を取らずに、ブームだけでオーガニックを選ぶ消費者が多いことも事実。
ビジネスをする上では、その層を上手く取り入れることも欠かせない。
きっと、カルビーの松本会長も
これからそういった戦略を考えていくことは間違いないだろう。
市場の動向をみてから動くには、対策が後手になることが多々ある。
しかし、市場の動向が読める場合にはその心配はいらない。
オーガニック市場は
これからまだまだ伸びていくのが確実な市場の一つ。
行き詰まっている業界、他社と差別化をするために参入するには
希望のある業界。
失敗しないための秘訣としては
ただ取り入れるだけではなく
市場の動向を読める
業界に詳しい人間、人脈がある人間を身近に置いておくことだろう。
僕のような人間をね(笑)
あ、そうそう
松本氏のモットーは 大きなホラを吹く だった(笑)
深いね〜。